ご挨拶

2023年9月の記事一覧

校長室より 令和5年度2学期 始業式 校長講話(令和5年9月1日)

 本日、9月1日より2学期が始まりました。夏休みは元気で過ごせたでしょうか?夏休み中の皆さんの活躍として、部活動では各大会等での結果、がんばりを聞きました。暑い中、ご苦労様でした。また、全国高等学校総合文化祭出品・派遣の写真部やバドミントン部および剣道部の埼玉県代表で団体戦メンバーとして出場し、それぞれ全国大会3位入賞の報告、さらに教科で福祉科の関東地区福祉研究発表会福祉研究部門での入賞、県発表会介護技術部門での入賞、商業系での資格取得などでがんばっているみなさんの活躍を耳にするとうれしく思いました。

 さて、今日から2学期が始まります。本日も放送による始業式となりました。まだまだ気温が高く熱中症対策が必要な状況です。また、感染症拡大防止についても引き続き、各自が注意しながら生活してほしいと思います。

 2学期は、大きな行事を挙げれば、来月10月11日から中間考査、そして10月27日、28日翔陽祭(文化祭)とその後の体育祭、11月29日から期末考査、それが終わってすぐの12月6日からは2年生の長崎方面を中心とした修学旅行、そして12月22日が2学期終業式となっています。それぞれの行事については、ぜひ、油断をせずに、ひとつひとつの工夫した企画運営とみなさん各自の適切な行動をお願いします。

  さて、講話に入りますが、一学期始業式では、ある車椅子生活をされている小児科の医師の言葉「『自立』とは『依存』先を増やすこと」を紹介しました。一学期終業式では、中国のとある(諸説あり、老子か)思想家の言葉「ある人に魚を一匹与えれば、その人は一日食える。魚の取り方を教えれば、その人は一生を通して食える。(授人以魚 不如授人以漁)」を紹介しました。

 今日は、9月1日という日に、ちなんだお話をさせてもらいます。

 ここ数年はコロナをはじめ、天気予報などでは線状降水帯といったような用語が用いられ天候不順についての話をよく耳にしましたが、現在も台風シーズンの最中ということで、今日、9月1日は「防災の日」と定められています。防災の日は、昭和35年(1960)年6月11日の閣議で、9月1日を防災の日とすることが決められたことに始まります。今日は、この防災について、少しお話しします。

 まず、9月1日を防災の日とした経緯について、調べてみました。

 9月1日は、関東大震災が発生した日であるとともに、暦の上では二百十日に当たり、台風シーズンを迎える時期でもあり、また、昭和34(1959)年9月26日の「伊勢湾台風」によって、戦後最大の被害(全半壊・流失家屋15万3,893戸、浸水家屋36万3,611戸、死者4,700人、行方不明401人、傷者3万8,917人)を被ったことが契機となって、地震や風水害等に対する心構え等を育成するため、防災の日が創設されました。そして、昭和35年6月の内閣の会議である閣議で了承され、9月1日発行の官報でも次のように記述されました。

  「政府、地方公共団体など関係諸機関はもとより、広く国民の一人一人が台風、高潮、津波、地震などの災害について、認識を深め、これに対処する心がまえを準備しようというのが、『防災の日』創設のねらいである。もちろん、災害に対しては、常日ごろから注意を怠らず、万全の準備を整えていなければならないのであるが、災害の発生を未然に防止し、あるいは被害を最小限に止めるには、どうすればよいかということを、みんなが各人の持場で、家庭で、職場で考え、そのための活動をする日を作ろうということで、毎年9月1日を『防災の日』とすることになったのである」と、制定の主旨が記されています。

  今、話に出てきた関東大震災については、皆さんは歴史で学んだかもしれません。

 今からちょうど100年前の1923年(大正12年)の9月1日に関東大震災という大きな地震が、我々の住んでいる関東地方に襲い掛かりました。

  100年前の1923年9月1日土曜日、時間は11時58分の昼の時間帯です。相模湾北西部を震源とする、規模がマグニチュード7.9と推定される関東大震災が発生しました。この地震により、埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県、山梨県で震度6を観測したほか、北海道道南から中国・四国地方にかけての広い範囲で震度5から震度1を観測し、10万棟を超える家屋を倒潰(とうかい)させました。また、発生が昼食の時間と重なったことから、多くの火災が発生し、大規模な延焼火災(えんしょうかさい)(火災で火が別の建物や地域に燃え広がること)に拡大しました。

  この地震によって全壊、全焼の被害を受けた住家は総計約29万棟(資料によって若干の差があり)にのぼり、死者・行方不明者は約10万5000人に及び、甚大な被害をもたらしました。ほとんどが焼死です。近年の大震災と比べてみます。

 みなさんにとって、記憶があるかわかりませんが、12年ほど前の2011年3月11日、金曜日午後2時46分に東日本大震災が発生しました。この地震で亡くなった人、行方不明者は、約1万8000人(9割が溺死、津波でおぼれて亡くなる)その関連で亡くなった人が約3800人、約2万人がなくなりました。全壊、全焼の被害を受けた住家は約12万棟。(その後の津波等による被害を含めて約41万棟の被害とされる)

 さらに1995年(平成7年)1月17日火曜日、午前5時46分、阪神・淡路大震災がおきました。この地震で亡くなった人、行方不明者は、約5500人(7割が窒息、圧死、倒壊した建物などで押しつぶされた)、その関連で亡くなった人が約900人、全壊、全焼の被害を受けた住家は約11万棟とされています。

 ちょうど100年前の関東大地震、全壊、全焼の被害を受けた住居の数、死者・行方不明者が約10万5000人という数字。その被害規模と社会経済的なインパクトは極めて大きかったことが分かります。(GDP(Gross Domestic Productの略称で、「国内総生産」のことで、一定の期間に国内で生産された物やサービスの「付加価値」の合計)比で35.5%、阪神は2.1%、東日本は3.3%)

  「防災の日」と関東大震災について、紹介しました。このように地震や台風も含めて、自然の災害から身を守るのは私たち、一人一人です。身を守るにはどうしたらよいか、今後、本校でも避難訓練等も計画されています。いろいろ制限が多いところですが、ぜひ、みなさんも本日の「防災の日」に災害に備える機会としてとらえ、また、過去の記憶、教訓として100年前の被害甚大な出来事も含めて、学び、考えてみてください。大切な命を守る行動をどのようにすればよいのか、いっしょに考えていけたらと思います。

  最後になりますが、各年次において、2学期はいろいろ取組、行事があると思いますが、先生方の連絡をしっかり聞き、指導を守りながら、皆さん一人ひとりが自らを成長させ、さらにはみなさんでその力を結集させて連携・協力して充実した2学期にしてもらいたいと思います。特に3年次生、4年次生は進路選択において重要な時期となってきます。たとえ1度、2度の失敗などがあってもくじけず、頭を切り替えて、担任の先生、進路の先生、就職支援の先生方などの助言をいただきながら、次の対策に粘り強く取り組んでください。1、2年生はそれぞれの取組にわずかでもよいので、プラスの成長を意識しながら、それを結集させて生活してください。それぞれの健闘を祈ります。  

 私からの話は以上です。

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