2022年9月の記事一覧
令和4年度2学期始業式 校長講話
夏休みが終わりました。休み中の皆さんの活躍として、各運動部では大会でのがんばりや結果などを聞きました。暑い中、ご苦労様でした。また、写真部や福祉科介護技術部門・福祉研究部門の入賞、さらには商業系や国語科・英語科の資格取得などでがんばっているみなさんの活躍を耳にするとうれしく思いました。
さて、今日から2学期が始まります。本日も放送による始業式となり、新型コロナウイルス感染症拡大状況に伴い、引き続き感染症防止対策をしながらの2学期スタートとなっています。マスク着用、換気、特に空気の流れを考えた換気をして注意しながら生活してほしいと思います。
2学期は、大きな行事を挙げれば、今月の9月30日体育祭、10月13日から中間考査、そして10月28日、29日翔陽祭(文化祭)、11月30日から期末考査、それが終わってすぐの12月7日から2年生の長崎方面への修学旅行、そして12月23日が2学期終業式となっています。行事については、現段階では条件、制限をかけながらですが実施可能となっています。感染症防止対策を講じながら、ひとつひとつの企画運営とみなさん各自の適切な行動をお願いします。
本日は始業式にあたり、ある数字の話で印象に残ったものがあったので、ここで紹介したいと思います。楽天の三木谷社長の本「成功のコンセプト~Principles for Success」に記載されている1.01の法則と0.99の法則という数字についての話です。少し説明をします。
数字の1に0.01を加えると、1.01となり、マイナスすると0.99となります。1.01と0.99は、その差が0.02で、どちらもおよそ「1」ということで、ほとんど差がないように思います。次にこれらの数字において、累乗の計算でよく用いられる指数を考えてみます。1の2乗、1×1は1で、3乗も1です。1 の 365 乗 も 1 です。では、0.99 をちなみに365回掛け合わせていくと、つまり0.99の 365 乗は、というと 0.0255179645 ・・となります。逆に1にほんのわずかな0.01を加えた1.01 の 365 乗は、いくつになるでしょうか? 答えは、37.7834343・・・となり、およそ38となります。
まとめると、「1 の 365 乗は 1 、0.99 の 365 乗は 0.026 、1.01 の 365 乗は 38」です。どうでしょうか。この数字の変化について、みなさんはどのような印象を持ったでしょうか?私たちの成長や生活とこれらの数字とを結びつけるかは異なる観点の別の話ですが、この話の中で何をみなさんに考えてほしいか、想像できた人もいるかもしれません。
「1.00」をベースとして考えた際、1.01のようなちょっとした変化や努力でも365日積み重ねると大きな力になり、逆に0.99のようにちょっとでもマイナスへと向かう、手を抜いてしまうなどの動きをすると、それが積み重なっていくと思った以上に生み出すものが少なくなる、ということを教えています。最初のたった0.02の違いでここまで差が出てくるというのは、今後の生活においても学ぶべきこと、考えるべきことがあると思います。
「人の2倍は努力しなさい。」と言われても、なかなか難しいかもしれませんが、日々、自分に0.01分の少しの工夫をして、追加や変化をすると、長い目で見ると大きな違いとなりえる。以前にも話をした内容とも重なり、伝えたいことは同じことです。
印象付けるための数字上の操作やインパクトのある強めの表現などにはもちろん注意が必要ですが、「継続は力なり」や「塵も積もれば山となる」と言われるように、しんどいときもあるとは思いますが、努力が報われるのを信じて積み重ねのできる人になってほしいと思っています。そして、自分にとってのプラスαを皆さんなりに考えてほしいと思います。
最後になりますが、各年次において、2学期はいろいろあると思いますが、先生方の連絡をしっかり聞き、指導を守りながら、皆さん一人ひとりの0.01というようなわずかなことでもよいので、少しずつ追加させ、さらにはみなさんでその力を結集させて充実した2学期にしてもらいたいと思います。特に3年次生、4年次生は進路選択において重要な時期となってきます。たとえ1度、2度の失敗などがあってもくじけず、頭を切り替えて、担任の先生、進路の先生、就職支援の先生、就職支援アドバイザーの先生方などの助言を聞きながら、次の対策に粘り強く取り組んでください。1、2年生はそれぞれの取組にわずかでもよいので、プラスを意識しながら生活してください。それぞれ健闘を祈ります。
私からの話は以上です。 R4.9.1 埼玉県立戸田翔陽高等学校 校長 野口幸男