ご挨拶

2022年7月の記事一覧

令和4年度1学期終業式 校長講話

 これから夏休みに入るにあたり、先日の壮行会でもお話しましたが、部活動において成果のあったみなさんの活躍については、この夏休み中の次なる上位大会、全国大会におきましても健闘を祈ります。頑張ってください。

  それでは、私からの話になりますが、流れはまず、本校で実施されている取組をあらためて2つ紹介します。そのあとに1学期を終了するにあたり、私自身がみなさんに考えてもらいたい言葉についてお話します。少々、長くなりますが聞いてください。

  まず2つの取組紹介ですが、一つ目、本校では多文化共生推進事業という事業を進めています。おそらく、今年度の初めごろに紹介されたと思いますが、知っていますか。現代社会は多様な文化背景を持ったもの同士の共生、共に生きていくために国際的な視点をもって相互に生活様式の違いや文化的背景などを理解しあうことが必要な時代です。そのための橋渡しとして用いられている言葉、日本語という言葉を理解してもらうために、2号館1階西側の教室を使用して、外部講師の方による日本語を母語としていない生徒のみなさんに日本語学習の機会を提供しています。生徒のみなさんが様々な文化、つまりは人に対して、それぞれの文化を理解し、受け入れながら学校においても生活できたならば、と思います。このような学びの場があるのは、本校の大きな特色の一つです。この夏休みにおいても他の文化に触れる機会があるかもしれませんが、日本文化や異なる国の文化、について考える機会を持ったならば、ぜひ、互いの違いや共通することなどを考えてみてください。

  二つ目、2号館1階西側の教室、多文化共生推進事業の日本語教室の隣の教室では、以前に学校通信で紹介しましたが、普通に中学校に行かずに、異なる学びを求めている中学生やその保護者のために相談窓口を開設しています。これは、県教育委員会と戸田市教育委員会の連携による事業です。ひらがなで「いっぽ」という名前の学びの教室も今後、開講される予定となっています。県の取組ですが、本校の中で実施されていることですので、承知しておいてください。

  それでは、次にみなさんにも考えてほしい言葉を紹介します。今学期のはじめの始業式、入学式において、2つの言葉を伝えました。覚えていますか。一つ目は、周囲と協調しながらも、しっかり自ら判断し、主体的に物事に取り組んだり、行動できる人になってほしいという願いから、「和して同ぜず、和して流されず」という言葉を紹介しました。

 二つ目は、積み重ねていくことで、それが大きな飛躍につながるという願いから、他人との比較ではなく、今日は昨日の自分から少しでも変化させ、明日は今日の自分から何かにおいて変化させてみる。自分自身に目を向けて、日々、何らかの変化を加えてみる。「今日の自分を超える。」という言葉でした。どうでしょうか、覚えているでしょうか。この1学期に、考えてみる機会、ふと思う機会があったならばよいなあと思います。

  1学期を終了するにあたり、今日はまた、別の言葉を紹介します。7月16日開催の中学生・その保護者への学校説明会においても話をさせてもらいました。

  私たち人間にとって、「プラスのことをプラスにする」あるいは「マイナスのことをマイナスにする」ということはよくあること、比較的やさしいこと、だと思います。例えば、「試合に勝った、良い成績を取った(プラスのこと)ので、頑張る(プラスのこと)」、逆に「試合に負けた、悪い成績を取った(マイナスのこと)ので、やる気を失う(マイナスのこと)」ということはいたって、よくありがちなことです。もちろんマイナスの方はそのままではよくはないのですが、しばしばみられがちなことです。

  ここで、みなさんに考えてもらいたいのは、「マイナスかもしれないと思われることをプラスにする力」についてです。マイナスの後は、プラスよりもマイナスの考えが起こりがちで多いかもしれません。そのようなときに「マイナスをプラスにする力」を考えてほしいと思っています。部活動で最後の大きな大会などで負けてしまった、今日のような終業式の後に担任の先生から通知表が渡されると思いますが、うまく成績が振るわなかった、こんなときの考え方です。何かうまくいかなかった時に、「この状況を変えて、乗り越えたら、大きく成長する」と考えて、乗り越える方策を考えるなどして、工夫して、前向きに挑戦してほしいと思います。「そうならば、この機会にこれをしてみよう」「こんなふうに取組方法を変えるチャンスだ」と考えられたらと思います。ピンチをチャンスにしてください。そんな時こそ我々、人間の持つ「知恵」を使いたいです。また、まわりの人の助けが必要かもしれません。困ったときは、周りの人に助けを求めてください。

  逆に「プラスの後にマイナスになってしまう」ことには気をつけましょう。「良い結果がでて、安心して一生懸命、練習や勉強をしなくなり、実力が下がってしまう」というようなことです。油断するなということでしょうか。よく起こりがちですので、注意しましょう。

 「マイナスのことをプラスにする力」、考えてみてください。マイナスの状況の後の考え方です。「そうであるならば、こうしてみようか」、「次は、こう取り組んだら、こうなるかも」、などと知恵を使って乗り切る。ぜひ、考えてみてください。「マイナスをプラスにする力」

 それでは、この夏休みを有意義に過ごし、暑さに負けずに、また、コロナに対応しながら、2学期始業式を元気に迎えましょう。 私の話は、以上です。         R4.7.20   埼玉県立戸田翔陽高等学校長  野口 幸男

 

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