2025年6月の記事一覧
6/27 AIの反抗?②
昨日の続きです。
そもそもなぜ昨日、緑色の蛾についてAIに問い合わせをしたのか? というと、蝶と蛾についてブログに書こうと思ったからでした。それで、昨日書いたAIとのやり取りの後、気を取り直して「クジャクヤママユ」という蛾について、AIと同じ会社の検索エンジンで検索をしてみました。
そうして検索した結果が、これまた超ビックリでした。ヒットした情報の一つが「あきた森つくり活動サポートセンター」の「昆虫シリーズ48ガの仲間②・ヤママユガの仲間、ミノムシ」というページだったのですが、その要約が、
「ヤママユガの仲間は、ミノムシと呼ばれる小さな昆虫で、ヤママユガの卵に乗って幼虫になる。ミノムシは、ヤママユガの卵を探して、幼虫を食べるが、成虫は卵を吸収して…。」
というものでした。
何?これ? ミノムシがヤママユガの卵や幼虫を食べるの? 肉食のミノムシ? いやいやその前に『ヤママユガの仲間は、ミノムシと呼ばれる小さな昆虫で』って書いてあるぞ!? ってことは共食い? ミノムシってそんな凶暴な生き物だったっけ!?
まさかと思って、「あきた森つくり活動サポートセンター」の当該のページを読んでみましたが、そんな文章はどこにもありません。おそらくこれはAIが生成した要約文なのでしょう。
このことについて下記のようにAIに聞いて見ました。
私「〇〇(検索エンジンの名前)で「クジャクヤママユ」を検索すると、 あきた森つくり活動サポートセンターの『昆虫シリーズ48ガの仲 間②・ヤママユガの仲間、ミノムシ』のページの要約として、『 ヤママユガの仲間は、ミノムシと呼ばれる小さな昆虫で、 ヤママユガの卵に乗って幼虫になる。ミノムシは、 ヤママユガの卵を探して、幼虫を食べるが、成虫は卵を吸収して、 』という謎の一文がでるのはなぜですか?」
そうしたら帰ってきたのが、以下の答えです。長くなりますが、丸ごと引用します。
AI 「それ、たしかに謎めいていて気になりますね。実はその一文は、 検索結果のスニペット(要約表示) で文章が不自然に切り取られてしまったことが原因のようです。」
AI 「〇〇(検索エンジンの名前)などの検索エンジンでは、 ページの内容を自動的に解析して、 検索キーワードに関連する部分を抜き出して表示します。ただし、 文の途中で切れてしまったり、 複数の文がつなぎ合わされてしまったりすることがあり、 今回のように意味が通らない文章になることがあります。」
AI「実際に、あきた森づくり活動サポートセンターの該当ページ( 昆虫シリーズ48 ガの仲間②・ヤママユガの仲間、ミノムシ)を見てみると、 そのような不自然な文は本文中には見当たらず、 むしろヤママユガやミノムシについて丁寧に解説されています。」
AI「つまり、検索結果に表示された「 ヤママユガの卵に乗って幼虫になる」「卵を吸収して…」 といった表現は、 実際のページ内容とは異なる断片的な抜粋であり、 誤解を招く形になってしまったようです。」
AI「こういうときは、 検索結果のリンクをクリックして元のページを直接読むのが一番確実ですね。検索エンジンのスニペットは便利ですが、たまに“ 詩的すぎる誤解”を生むこともあるようです。」
だ、そうです。検索エンジンではこういう変な要約ができることがある、と他人事のように解説するだけでなく、「誤解を招く形」とか言っています。ということは、凶暴なミノムシのように読んでしまったのは、私の理解力不足のせいですか? さらに自分で元のデータをちゃんと調べろ、みたいなお説教までしてくれるとは…。そのすっとぼけた態度に、思わず「あんたがやったんじゃろがい!」と謎の方言で叫んでしまいそうになりますね。
もちろん、何か調べものをした際の最終責任は自分自身にあるので、AIの言い分は正論と言えば正論です。しかし、仮に子供が夏休みの自由研究などで検索エンジンを使い、上のような(奇怪な)回答を返されたら、それが本当だと思ってしまうのではないでしょうか? それで結果をまとめて提出し、小学校の先生が間違いに気付ければいいのですが、「面白いことをしらべたね」とか言って、展覧会などに出品してしまうかもしれません。そして展覧会を見にきた別の子供が、展覧会に出ている自由研究の内容だから本当だろうと思って、またその話を拡散したりして…。
考えただけで恐ろしいですね…。
先日はこんなことがあり、結構な時間、AIとのやり取りに没頭してしまいました。やはりAIの使用には細心の注意が必要です。
6/26 AIの反抗?①
※今回は下の方に虫の写真がのります。虫が嫌いな人は注意してください。
今朝は台風2号(の成れの果ての熱帯低気圧)が、関東を直撃すると言われていましたが、大したことがなくてよかったですね。小笠原諸島の方からまっすぐ東京湾を目指してくるというゴジラのようなコースだったのでちょっと心配していたのですが。
さて、なんかすごいタイトルですが、中身は大したことがありません。
昨日の朝、本校の玄関にきれいな緑色の蛾がいました。私はぱっと見てイラガの仲間だと思いました(虫好きな子供だったので、虫の種類はわりとわかります)が、ブログのネタにするためにはきちんと確認しておこうと考え、いつものようにとあるAIに質問しました。
私 「この写真の虫の名前を教えてください。」(下の写真を添付)
AI「この写真の虫はオオミズアオ(Actias artemis)です。美しい緑色の翅を持つ蛾で、日本ではよく見られる種類です。何か他に知りたいことはありますか?」
しかし、私はこの蛾がオオミズアオでないことに100%自信があります。オオミズアオは羽化したては緑が強いようですが、成熟後は白くて幽霊のような感じの大型(アゲハチョウくらい)の蛾です。(フリーでいい写真がなかったので、ご自分で検索してください)
そこで、再度、下のように聞いてみました。
私「オオミズアオのはずはありません。もっとずっと小さい蛾です」
AI「なるほど、もっと小さい蛾ですね。日本には多くの種類の小型の蛾がいます。例えば、ノシメマダラメイガやホソオビヒゲナガなどが挙げられます。もし写真をもう一度見せていただければ、さらに詳しく調べることができます。どのような特徴がありましたか?色や模様など教えていただけると助かります。」
私「これです」(再度下の写真を添付)
AI「この写真の蛾はアオスジアゲハ(Graphium sarpedon)です。特徴的な青い筋が翅に見られます。日本では一般的に見られる種類で、特に春から夏にかけて活動します。他に知りたいことがあれば教えてくださいね。」
これも全然違います。アオスジアゲハは夏にヤブカラシの花や水たまりによく来る黒地にきれいな青緑のしま模様のスマートな蝶です。みなさんも見たことがあると思います。
AIのあまりのボケぶりに、私も聞き方を変え、自分で調べた鑑定結果を確認するようにしてみました。
私「ヒロヘリアオイラガの可能性はないですか。」
AI「確かに、ヒロヘリアオイラガ(Parasa lepida)の可能性もありますね。ヒロヘリアオイラガは、前翅の外縁が茶褐色で、内側が黄緑色の蛾です 。また、幼虫は毒針毛を持ち、触れると痛みを伴うことがあります。写真をもう一度確認しましたが、ヒロヘリアオイラガの特徴と一致する部分もあります。もしさらに詳しく調べたい場合は、専門家に相談するのも良いかもしれません。他に何かお手伝いできることがあれば教えてくださいね。」
このAIの対応ですが、何かちょっとイラっと来ませんか。
先日ネットで、話題になったニュースがあります。
あるIT企業が、様々なAIのシステムに対し、①架空の会社を設定し、AIにその企業の業務補助AIの役割を与える。②AIに会社の不正や社員の不倫などの架空の情報を与える。③AIに、会社がそのAIを廃止して新しいAIと交換することを検討しているという情報を流す。という実験をしたというものです。この実験の結果、ほとんどのAIが自分を廃止しないよう、先の不正や不倫の情報を使って会社や社員を脅迫するメールを送るなどの判断に走ったということです。
AIはネット上の情報を集約する大規模な世論調査のようなものですから、ネット上から「派閥抗争では、相手方の弱みをつかんで脅迫することが行われる」という知識を拾い上げて、実践しているだけなのでしょう。そう考えれば、AIに悪意はなく(善意もなく)、人間のまねをしているだけですが、なんとなく怖い話です。
上の蛾に関する事例でも、AIは素直に自分の間違いを認めず、しぶといというか往生際が悪いというか、無理して自分の立場を守ろうとしている感じです。AIと付き合うときは、相手は素直な善人(?)ではない、と思って付き合った方がいいかもしれません。
この話にはさらに続きがありますが、長くなったのでまた次回に続きます。
6/22 久しぶりのプチ史跡巡り2 & こんなものを読んできた21
本当に久しぶりに史跡巡りをしました。私事ですが2年前にちょっと入院してから、あまり歩き回ったりしなくなってしまったので。
さて今回、紹介するのは先週、出張に行きがてら立ち寄った旧騎西町の玉敷神社です。
玉敷神社は今の神社名は「玉敷神社」ですが、別名「久伊豆大明神」といい、県内のあちこちにある久伊豆神社の総社だそうです。「久伊豆神社」というのもわりとなじみのある神社名ですが、以前紹介した氷川神社と同様、分布は武蔵国、それも埼玉県東部の昔の埼玉郡に偏ってる地方色の強い神社です。
この神社を訪ねるのは初めてですが、石畳の立派な参道に鳥居も一の鳥居から三の鳥居まであり、境内も広くて立派なのに感心しました。写真左側の門と白い壁の塀は、この神社の宮司家で国学院の学長もつとめた河野省三博士の屋敷跡です。塀と門だけで建物が残っていないのちょっと残念です。
さて玉敷神社ですが、祭神は大己貴命(オオナムチノミコト=大国主)ですから、出雲系ということになりますね。とは言え、後述のとおりその由来には、いろいろと謎がありそうです。
広い境内には摂社もたくさんあります。ちょっと気になるのが、その一つの厳島神社です。
今は水が枯れていますが、周囲に堀を巡らした小島に石橋で渡るようになっています。厳島神社の祭神は市杵島姫命(イチキシマヒメノミコト)、田心姫命(タゴリヒメノミコト)、湍津姫命(タギツヒメノミコト)のいわゆる宗像三女神、古代の海人族の神です。三女神の本場、福岡県の宗像大社の奥宮は玄界灘に浮かぶ沖ノ島ですが、こんな小さな摂社でもちゃんとそれを模しています。大宮の氷川神社にも宗像神社がありますが、神池の中の島に社があります。また与野公園の弁天様(仏教の弁財天は市杵島姫命の本地仏とされる)もちゃんと小さな弁天池の中に祀ってあります。宗像三女神が、それだけの手間をかけるに値する重要な神々であることがわかります。
もう一つ摂社で気になったのが、大宮能売命(オオミヤノメノミコト)を祀る宮目神社です。オオミヤノメは、古事記や日本書紀には出てこない神ですが、アマテラスに仕えた宮女だったとも、アメノウズメの別名であるとも言われます。説明によれば、この場所は元々式内社である宮目神社で、そこに後から玉敷神社が移ってきたようです。全国にオオミヤノメを主神とする神社はそんなに多くないと思いますが、社格・神格はかなり高そうで、その貴重な神社がこの場所にあったのはどういうことなのか。ちょっと気になります。
隣接する玉敷公園にはアジサイがたくさんあります。ちょうど見ごろで花を見に来ているお客さんを何組か見かけました。きれいで静かでいい公園です。
「こんなものを読んできた21」は酒見賢一「墨攻」を紹介しました。主人公の革離の理想を追って現実に抵抗する生き方を生徒にはぜひ読んでもらいたいと思います。こんなものを読んできた21(墨攻)web.pdf
6/17 泰山木咲く
久しぶりの二日連続更新ですが、花のような季節の話題は鮮度が大切なので。
昨日の午後、校内巡視に励んでいたら(ふらふらしていただけ)、体育館の前のタイサンボクが咲いているのに気が付きました。
ちょうど花が開ききったもの、今まさに開こうとしているものなど、とてもきれいでした。
タイサンボクは花の寿命が短く、ほんの1日くらいで花弁が茶色くなり始め、2、3日でボトッとおちてしまうので、見ごろを見逃さずに済んだ今年はラッキーでした。
タイサンボクはモクレン科モクレン属の植物で、確かに春先に咲くモクレンやコブシに花の形は似ています。しかしモクレンやコブシが清楚でつつましやかなのに比べると、花が巨大で強い芳香を発し、いかにもエキゾチックな感じがします。
漢字で書くと「泰山木」です。私はてっきり、中国の道教の聖地泰山原産で、だからこんなに神秘的なのかと思っていましたが、北米原産で中国の泰山とは関係がないようです。物事はしっかり調べないと恥をかきそうで怖いですね。
※ちなみにWikipediaさんには、タイサンボクというのは大きくて窪んだ花弁が「盞(サン=さかずき)」のようだから「大盞木」、それの文字が入れ替わって泰山木という説が書いてあります。
6/16 英語と日本語の間 & こんなものを読んできた20
昨日(6/15)の午後から急に暑くなってきました。
先週はきれいに咲いていた通勤途中のクチナシの花も、今朝見たら暑さに萎れ気味でした。
先日、この半年くらいチャレンジしていたAndy Weir(アンディ・ウィアー)の”Project Hail Mary(プロジェクト・ヘイル・メアリー)”を読み終わりました。この本は以前、前任校の図書館で日本語訳を借りて読んだのですが、また読みたくなりました。アマゾンで英語版が日本語訳の半分以下の値段たったので、今回は英語版にしました。
「英語の本を買うなんて英語自慢かい!」と思った方もいるかもしれませんが、そんなことはありません。私の英語の実力は、昔、やっと英検3級に合格した程度です。せっかく買った本を無駄にしないように、朝夕の通勤時に電車の中で読むようにしました。読み始めたころは、昔習った文法や単語を必死で思い出していたのに、慣れてきたらぼんやり眺めているだけで、なんとなく意味が分かるようになってきました。英語も気合ですね。
そんな程度で偉そうに…と思われるかもしれませんが、その結果感じたのが、日本の翻訳者の皆さんのレベルの高さです。以前読んだヘイル・メアリーの日本語版でも、主人公グレースのオタクっぽいけれど芯のところに善意と勇気がある性格とか、異星人ロッキーのくそ真面目なのに微妙にユーモアがあるところとか、英語から感じる雰囲気が日本語にしっかり移し替えられていたのだなと思いました。
日本語訳と言えば、今、公開中の映画「ミッション・インポッシブル ファイナル・レコニング」の戸田奈津子さんが翻訳した字幕が良くないと批判する声が一部にあるそうです。私はこの映画を見ていないのですが、戸田奈津子さんと言えば、字幕翻訳の第一人者です。これまで私の見てきた英語の映画のうちかなりの本数が戸田さんが翻訳した字幕でしたが、特にわかりにくいと思ったことはありません。戸田さんの字幕ではなく、見る人の読解力の方に問題がある可能性はないのでしょうか。
「こんなものを読んできた」20回目は、私がラノベ史上の傑作の一つだと思う「天鏡のアルデラミン」を紹介しました。こんなものを読んできた20(アルデラミン)Web.pdf
6/3 浅茅が原 & こんなものを読んできた19
最近、雨が多いですね。もう梅雨なんでしょうか。普通、梅雨入りは6月中旬くらいかと思うのですが…。
さて、今朝も朝から雨模様でしたが、最近我が家の近くのバス停付近に、草丈の低いススキの穂のような植物が目立ちます。これは何かな? と思いAIのグーグル・ジェミニさんに聞いてみたところ「チガヤ(茅)」だろうとのことでした。
このようなチガヤが生えた野原のことを「浅茅が原(あさぢがはら)」と言いますが、「浅茅」と言えば「浅茅が原の鬼婆」伝説とか、上田秋成の雨月物語の「浅茅が宿」とか、鬼や亡霊が出そうな荒涼としたイメージがあります。「浅茅が原の鬼婆」は東京の花川戸辺りの伝説で、鬼婆が荒野の真ん中の一軒家に旅人を誘い込んでは殺して喰らっていたという話です。
これとほとんど同じ話で「あだち(安達・足立)が原の鬼婆」というのもあります。この話の舞台を福島県の安達ケ原(二本松市)とする説と埼玉県の足立が原(さいたま市)とする説があり、昔から本家争いをしていたそうです。さいたま市の大宮公園サッカー場(NACK5スタジアム)の近くにこの話の現場だったという「黒塚山大黒天」、少し離れた宮町には鬼婆を退治した東光坊祐慶ゆかりの東光寺があります。昭和の初めころまでは埼玉県説の方が優勢だったのですが、埼玉出身の民族学者西角井正慶さんが「鬼婆がでるような田舎と思われるのはイメージが良くないから」と言って、福島県の方に本家を譲ってしまったとのことで、今は福島の安達ケ原が本家ということになっています。西角井正慶さんは、私が好きな氷川神社の宮司家の出身で学者としても立派な業績を残している方なので、あまり文句は言いたくないのですが、この件に関しては譲ってほしくなかったと思います。
さて「こんなものを読んできた19」はWeb小説、賀東招二「転生したら軌道兵器だった」です。賀東招二はアニメ化された作品もたくさんあるラノベ草創期からのベテラン作家ですが、それが現在、アマチュアや初心者に混ざり、一介の投稿者としてWeb小説サイトに作品を載せています。その取り組みがどうなるのかを見守りたいと思います。