7/2 「蝶と蛾(チョウとガ)」
※今回も下の方に虫のアップの写真がありますので、嫌いな人は注意してください。
7月になりました。三部制で朝から夜まで授業をやっている本校では、私は1か月ごとに日勤と夜勤を入れ替えることにしています。七月は夜勤なので1か月ぶりに給食を食べましたが、今日は自家製の冷えたポタージュが美味でした。栄養職員と調理員の皆さんの尽力に感謝です。
さて、今回のネタは先月の26日に書こうと思っていたのですが、イラっと来るAIの件などがあり、後回しになっていました。
先月25日の朝、出勤してくると職員玄関のところに、一匹のガがとまっていました。
これは「ヒロヘリアオイラガ」だと思います。イラガは幼虫に毒のトゲがあり刺されると強い痛みがあります。園芸などをするときには要注意ですが、成虫には特に毒はありません。律儀に三角形にたたまれた羽根が鮮やかな黄緑色で、なかなかきれいです。しかし、この写真を見て多くの人は「うげっ、気持ち悪!」と思ったのではないでしょうか。
昆虫の中でチョウとガは生物学的には同じ鱗翅類というグループに属します。日本ではチョウとガは、はっきりと違うものとして意識されています。 日本文化の中で育った人は、「チョウとガ? きれいなのがチョウ、気持ち悪いのがガ。一目でわかるじゃん」というかもしれません。しかし、チョウの中でも色や模様が地味なヒカゲチョウやジャノメチョウ、ミスジチョウなどはガと間違える人がたくさんいます。また羽根が三角で、胴体がずんぐりしているセセリチョウの仲間などもよくガと間違えられています。チョウとガの境目は、実はあまりはっきりしていません。
昔、国語の教科書に、友達の蝶の標本の立派さ、美しさに嫉妬して標本を壊してしまうヘルマン・ヘッセの短編がのっていましたが、その標本(の挿絵)がどう見ても、巨大なヤママユガでした。「なるほど、外国ではチョウとガを区別しないんだ」と感心した覚えがあります。
ガの立場からしたら、「俺たちとチョウとそんなに違わないのに、なぜ俺たちだけ差別されるんだ!」と怒り出すかもしれません…。
と書いていたら、たった今校長室に嫌われ者の「G」の姿が…。早速ジェット噴射式殺虫剤の的になってもらいましたが、彼らも「同じ茶色くて平べったい虫なのにクワガタだと喜ばれて、自分たちは瞬殺されるのはおかしい!」と文句を言うかもしれません。人間は勝手ですね。
※もっとも最近はチョウもガも、クワガタも「G」も全く識別することなく、虫はすべて嫌い、という人もたくさんいますね。自分と自分のペット枠以外の生き物はすべていらない、と思っているようです。