校長室ブログ

5/8 最近気になったこと(加筆5/9)

 連休前にネットで読んだ記事がどうにも気になったので、少しだけ書きます。

 その記事の内容をざっくりまとめると、

 ネット配信者のひげおやじ氏が宝くじをバラで買うのを見たひろゆき氏が、バラで買うのは損だという旨の発言をした。さらに、ひげおやじ氏が、自分は連番6バラ4の割合で買う、といったところ、その買い方では、連番10割にしたら当たっていた3000円を失う、と指摘した。今、これがネットで波紋を広げている。

 というものです。

 私は日頃、ひろゆき氏の個々の意見には賛成できないこともあります(賛成できることもあります)が、他の人が触れない物事の本質にズバッと切り込む得難い論客だと思っています。ただ、今回の件では、ひろゆき氏が上の報道通りの発言を本当にしたとすれば(ネットでよくある切り抜きとかでなければ)、そこには何点か誤りがあります。

 まず前半部分です。宝くじ1枚ごとの期待値は、連番でもバラでも同じです。買い方で変わることはありません(10枚買っても100枚買っても同じ)。しかし連番で買えば、もし1等が出たときに前後賞も取れる可能性が高いので、大きな金額を当てる夢があります。その意味では、ひろゆき氏の連番で買うほうがいいという主張も心情的にはわかります。その一方で世の中には、バラで買って1枚ずつ「当たっているかも」と確かめるのが好きだ、という人もいるでしょう。要するに気分や楽しみ方の問題で、連番とバラどちらが得とは言えません。

 後半部分です。宝くじはバラで買っても番号最後の一桁は0~9までが1枚ずつ入るようになっています。だから10枚買えば最後の一桁で決まる末等は必ずあたります。したがって、ひげおやじ氏の買い方でも損はしません。

 さてしかし、今回紹介したネット記事で私が一番あきれたのは、ひろゆき氏やひげおやじ氏の発言より、この件についてコメントした「芸能ジャーナリスト」の発言です。

 それは、「確率論で言えば、ひろゆき氏の指摘は正しいです。連番で買えば一定額が戻る可能性は高く、理屈としては“損をしにくい買い方”です。…」というものです。

 上で説明した通り、連番で買ってもバラで買っても、宝くじの期待値は同じです。「損をしにくい」買い方などありません。「確率論」とか「理屈としては」とか言っていますが、この「芸能ジャーナリスト」の発言には「確率論」も「理屈」も全くありません。

 ひろゆき氏とひげおやじ氏の発言は、個人の意見・感想なので、別にきっちり正確である必要はないと思います。またそれを報じることもいいでしょう。しかしこの「芸能ジャーナリスト」のコメントは明らかに間違っています。

 記事の全体構造をよく見れば、筆者はこの問題について答えを示していません。しかし、「芸能ジャーナリスト」のコメントがこの問題へのジャッジのような印象を受ける形になっています。これでは「連番のほうがバラより損をしない」という間違った考えを世の中に広げかねません。

 こういう記事を書くのであれば、ひろゆき氏の主張を「ひろゆき氏がこう言いました」と報じるだけにしておくか、記者の責任として何が正しいのか検証して結果を示すかのどちらかです。中途半端な形で不確実な情報を世間に流すのは、無責任だと思います。

 何にせよ、宝くじの1等や前後賞が当たる確率は、道を歩いていて隕石に当たる確率と同じくらい低いという話を聞いたことがあります(検証したことはないですが多分本当でしょう)。「絶対当ててやる」と熱くなって全財産を突っ込むような真似はしない方がいいでしょう。

タグ 宝くじ  連番  バラ