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校長室より 令和5年度2学期 終業式 校長講話(令和5年12月22日)

○ おはようございます。(こんにちは。こんばんは。)

○ この2学期も本日で終了し、令和5年も残すところ10日をきりました。年末に向けて、世の中がせわしなく感じる日々ですが、みなさんの調子はどうでしょうか?

○ 私からは大きく2つ、お話させていただきます。1つ目は、2学期終業式ということで今学期を振り返りながらの話、2つ目は、その振り返りの中で私なりにも皆さんに伝えたいと思った「一期一会」ということにまつわる話をしたいと思います。

○ まず、1つ目、今学期を振り返ると、2学期は校内的にも大きな行事が続きました。まず、10月27日、28日に翔陽祭、文化祭が開催されました。「Restart. ゼロから始まる翔陽祭」のスローガンのもと、まだまだ感染症対策を施しながらでしたが、Restart ということで、中夜祭(夕刻からの陽が沈んだ中での発表)などの新しい試みも入れながら一般公開もできて、久しぶりの盛り上がりを見せてくれたと思います。続いて10月31日に体育祭を実施しました。PTAの皆様にも君たちの様子をご覧いただきました。今年は赤組、黄組、青組と3つの組に分かれて競い合い、お隣の同じ敷地内にある「戸田かけはし高等特別支援学校」の生徒さんたちも玉入れや綱引きに参加してもらいました。体育祭の方はなんとか無事に終了することができましたが、当日は、近所に火事やら物騒な事件があって、何機ものヘリコプターが上空を飛び回っていました。かえって、印象に残る出来事として記憶に残っています。  

○ そして、つい先日ですが、2年次生が12月6日から8日の期間で長崎方面に修学旅行に行きました。昨年に引き続き期間中は天候にも恵まれ、平和学習や長崎近辺の文化に触れ、友人とも親睦を深められて、良い思い出となったことと思います。

○ さらに、先日の「カンジヤママイム(おしゃべりなパントマイム)」の芸術鑑賞会、パントマイムという芸を通して、人間だけが持つ「想像力」を活用して、その能力があるからこそ、感じることができる芸だとあらためて思いました。また、私たちへの「一期一会」などのような様々なメッセージが一つ一つの演技やお話に含んでいたように思います。君たちの感性、感じる心に響いていればよいなと思っています。それぞれの様子は本校HPに掲載されています。写真もありますので見てみてください。

○ そのほか、新しい生徒会役員の選挙、各部活動の活躍、各年次においての行事やみなさん自身、各自でいろいろ取り組んだ事があったと思います。校内での活動や行事の企画・運営にあたった担当生徒諸君や生徒会生徒、また、指導にあたられた先生方にはあらためて、感謝の気持ちを表します。ありがとうございました。

 ○ 2つ目の話に入ります。この2023年が終わるにあたって、年末になると、今年の漢字として租税の「税」という漢字(ちなみに日本漢字能力検定協会が発表)や活躍したスポーツ選手の「大谷翔平」選手、また「生成AI」とか「ChatGPT」というような、その年の流行りの言葉や活躍した人、話題になったものごとなどをよく耳にします。その中で、先ほどの振り返りにも少し触れました「一期一会」(いちごいちえ)という言葉について、少し掘り下げて話をしたいと思います。「一期一会」という言葉はもともとは、茶道の心得から来た言葉だそうです。安土桃山時代の茶人(ちゃじん)で、千利休の弟子が書き記した書物の中で「一期に一度の会」によるそうです。茶道においての一生に一度の会であるから心をこめてもてなすように、ということを表現しています。のちに、人との出会いを大切にするという意味の一般語として用いるようになったとのことです。

○ ちょうど私は「置かれた場所で咲きなさい」という言葉、本が気になって、調べているうちに渡辺和子(わたなべかずこ)さんという方が書かれたことがわかり、たまたまですが、同じ著者で「面倒だから、しよう」というタイトルの本を読んでいました。その本の中でも「一生に一度だけの巡り合わせ」という章があり、その中で「同じことは二度とない。だから、今という時を大切にする」という言葉があり、「一期一会」という言葉に通ずると思いました。例えば、まったく同じ楽団が同じ曲を同じホールで、同じ聴衆に向かって演奏したとしても、きっと昨日と今日では同じにはならないでしょう。同じようには奏でるでしょうが、まったく同じ演奏はできない。人間は全く同じことを繰り返すことはできない。一方、CDやDVDなどは同じことを繰り返します。これが人間と機械との違いの一つなのでしょう。人の繊細さと柔軟性を感じます。逆にCDやDVDは繰り返すことしかできない。そんなふうに考えると人間には同じこと、同じ出来事、場は一回しかない。だから、一回一回を丁寧にしたいものです。この本の中では、「人生で経験する出来事はどれもたった一度だけのこと。一つ一つの体験に心をこめましょう。」と書かれています。別の章では「一回一回が仕始めで、仕納め」と述べ、「毎回、新しい気持ちで取り組み、これが最後だと心して、一日一日をていねいに生きよう。」とうたっています。「一期一会」という言葉とこの書物の中の言葉、それぞれの意味していることは共通のように思います。「カンジヤママイム」での言葉から渡辺和子(わたなべかずこ)さんという方の書物の中の言葉に結び付けてみました。

  「一期一会」、「同じことは二度とない。だから、今という時を大切にする」、

  「一回一回が仕始めで、仕納め」

  去っていく一年、来る一年、一年一年、一日一日、一つ一つの出会い、一瞬一瞬、一人ひとりを大切にしましょう。そんなふうにつながっていくと思います。

 ○ 最後に、2学期、そして2023年がもうじき終わります。1年次生は本校での生活に慣れてきたところかもしれませんが、気を抜かずに3学期を迎えてください。2年次生は次の年次の3年次に向けて、しっかり準備してください。3・4年次生の生徒の皆さんは、各自の新しい世界に向けて準備してください。残った高校生活において、もう一度、「一期一会」、「同じことは二度とない。だから、今という時を大切にする」、「一回一回が仕始めで、仕納め」、という言葉を思い出してください。不安やどうしたらよいかわからないときは、誰かに相談してください。良い意味で依存できるところを探してみてください。

 ○ 年明けの1月9日(火)からまた、学校が始まります。良い新年を迎えて元気に、登校できるように日々を過ごしてほしいと思います。2024年においては、何を今の自分に付け加えていくか、何かプラスαを見つけて、少しでもよいので挑戦し、失敗してもくじけずに、一日一日を大切にして、その繰り返しの中で成長することを期待します。

  良い新年が迎えられることを願って、話を終わりにします。

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