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校長室より 令和5年度3学期 始業式 校長講話(令和6年1月9日)

  おはようございます(こんにちは、こんばんは)。

 令和6年がはじまりました。始まったところで、年明け早々に、石川県を中心に能登半島地震が発生したり、羽田空港での日本航空(JAL)機と海上保安庁の航空機が衝突して炎上というような痛ましい事故が発生したりしました。そんな状況ですが、こうしてみなさんと3学期始業式を迎えられることを嬉しく思うと同時に、みなさんひとりひとりにとって、良い3学期になるよう、また、今年一年が良い一年になるよう、お祈りいたします。毎年のことですが、1月は新年の幕開けとしての節目の月で、同時に学校においては今学期始めから、みなさんそれぞれが上級の年次への進級さらに卒業に向けて、総まとめをする学期にもなるので、その覚悟で努力を期待したいと思います。

 本日、私からは、皆さんの将来、これからを考えて伝えたいと思い、こんな状況だからもありますが、あらためて「防災意識の向上」と昨今の動きの中で「情報リテラシー」ということについて、お話ししたいと思います。

  まず、「防災意識の向上」についてですが、今年度2学期始業式に、9月1日が防災の日ということ、さらに昨年が関東大震災からちょうど100年ということで、話しましたが、この正月を過ごして、あらためて防災意識を向上させることの必要性を感じました。どうしても日常の中で忘れがちになってしまいますが、一人ひとりの意識の中で、考えていかなくてはならないことと思います。今回の地震では崩壊した家屋の様子が比較的多く報道されるなどしています。被害のタイプの分析などがされていると思いますが、教訓として我々は今後の防災を考えていく必要があります。今も地震の影響で新潟県では、道路の陥没や泥水の噴出等の液状化現象による被害が出ているそうです。こうした地震、津波、大雨による洪水などの自然災害、火災なども含めて、国レベルの対策が必要であり、我々、一人ひとりの意識向上がさらに必要であると思います。自分の命を守る行動を具体的に様々な場面場面で考えておくこと、可能な限りの想定が必要だと思いました。ぜひ、みなさんも考えてみてください。

 続いて2つ目、「情報リテラシー」について話します。皆さんが生活していく将来は、たくさんの情報が行きかう時代になると思います。すでに、現代社会もそうなっていますが、さらに情報過多の状況で、いかにして正しい情報を得ることができるかを、ぜひ、みなさんに考えてもらいたいと思いました。「情報リテラシー」における「情報」とは、私たちが日々受け取っているさまざまな知識や見識を指します。そして「リテラシー」とは、もともとは読み書きの能力を意味する言葉ですが、現代では、特定の分野に関する知識や能力を上手に活用する力という意味で広まっています。「情報リテラシー」とは、「情報を適切に判断して決定を下す能力」といえます。

 私たち人間は自動車、インターネットなどを開発し、ここ数十年でスマホのような情報伝達機器を進化させてきました。最近では、生成AI(人工知能)のようなものも使い始めています。架空の画像を生み出す生成AIの技術も高まり、今後、情報の正しさや間違いの見極めが難しいケースが増えていくと思います。こうした開発、進化においては便利さ、効率性を追い求めてきた一方で、自動車についてはCO2の排出や騒音、さらには情報に関してはフェイクニュース、偽情報(にせじょうほう)・誤情報に振り回されてしまうようなことが発生しています。こういう時代だからこそ、先ほどの「情報リテラシー」、「情報を適切に判断して決定を下す能力」を養ってほしいと考えます。どうしたら、この能力を高められるでしょうか。考えてみてほしいと思います。

 日常的に、物事に疑問を感じたり、調べるソースを複数持ったり、いろいろな方策があると思います。これまでにも、何度となく伝えてきましたが、日常の様々な授業で、また、みなさんの生活している様々な場面で、ぜひ、主体的に「思考力・判断力」を養うように心がけてみてほしいと思います。

 以前にもお話しましたが、学校の授業では、例えば、国語の古典や歴史により、昔の人の考え方に触れたり、理科からものや生物のしくみを知り、数学から実証的説明の道筋や論理的思考力を養ってください。外国語を学び、多くの人とコミュニケーションがとれるようになることで自分の社会を広げてください。本校は総合学科なので、実用的、専門的な教科も選択教科として学んでいます。すべての科目を学ぶことで社会に出てから、どこかで役に立つことがあると思います。また、役立ててください。本校の目指す学校像にあるように、「主体的に取り組み、多様性を尊重できる」成人になれるよう学んでほしいと思います。データサイエンスというような学問も耳にします。正しい情報を得るための判断力を養うにはやはり、皆さんのような社会に出る前の今の時期に、日々の授業や学校行事などの様々なことを体験し触れながら、身につけていくものと思います。今年で18歳となり、いよいよ成人として社会では扱われるようになる者もいると思います。18歳以上の者には責任が伴い、自己決定・自己判断と選択が迫られます。正しい自己決定・自己判断と選択ができるようになることがより大切になってきます。そのために日々の生活・学習が重要になってきます。日々の生活・授業を大切にしてください。自分から学ぶ気持ちを大切にしてほしいと思います。

 「防災意識の向上」および「情報リテラシー」、「情報を適切に判断して決定を下す能力」を向上させるには、どのような学びを実践していけばよいのか、いっしょに考えていきましょう。

 まだまだ寒い冬が続きます。インフルエンザなどの感染症には引き続き注意してください。各自で健康観察・健康管理を行ってください。一人一人の努力が全員の安全につながります。それでは、令和6年が皆さんにとって素晴らしい年になるよう願って、わたしの話を終えます。

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